【支葵】
…何もできない俺が居る。
こうして今、穂乃歌を見ていることしかできない、自分が居る。
本当は、無理矢理にでもつれて帰りたい。
でも、俺はそんな自分勝手な行動で大勢の人に迷惑を掛けたくなかった。
一番俺が分かってる。
俺が起こす行動1つで、穂乃歌が、凛城の家の人が…
どれだけ大事になるかなんて、想像もできないくらいだ。
穂乃歌はそれを望んでいるのか?
望んでいてくれていたとしても…
俺は、何もできやしない。
穂乃歌に仕えているというだけでも名誉だ。
なのに俺は穂乃歌の心をもらった。
それ以上、何を望む?
でも俺は…
手に入れば入るほど、もっと、もっと…
心の奥底から欲望が湧き上がってきて…
これ以上、俺は穂乃歌の傍に入られない気がした。
お前を傷つける前に、汚してしまう前に。
俺を嫌え、穂乃歌。
俺はお前を愛することをやめられないから。

