「それでー?
後ろに居るのはもしや?」
『お母様が無理矢理私に押し付けてきた執事。』
「まんざらでもなかったくせに何言うのよ?
相変わらず格好いいわねぇ~♪
お見合い相手並ね♪」
3人は軽くお辞儀をした。
お見合い相手…か…
その言葉に、心臓がチクンと痛んだ気がした。
「あと2時間くらいね♪
あちらの家の方が出向いてくれるまで★」
『そっか…』
「何?今更したくないとか言わないでよー?」
『言わないよッ。
1度決めたことだし。』
そう、1度決めたこと。
お見合いは、する。
4月の風が、庭の木々を揺らしている。
窓ガラスの向こうは寒そうで。
部屋の中は温かくて。
なのに私の心は窓の向こうのように冷たかった。

