私が歩くと、俊は口を閉じ私の後ろを歩いた。
「お嬢様、屋敷で樹里様がお待ちですよ。
急ぎましょう。」
『蘭さん…。』
蘭さんが車の中からそう言った。
私は軽く唇をかむと、車に乗り込んだ。
支葵とは、目も合わさずに。
あわせてしまったら…
今まで堪えていた涙が流れ出してしまう気がした。
私が乗り込むと続いて3人も車に乗る。
運転手、蘭さん、私、支葵、海琉、俊。
これだけの人数が乗ってもまだ空席の割合が多い。
この車は、あまり好きではない。
「出してください。」
蘭さんが運転手にそう言うと、運転手は軽く返事をしてハンドルをキツク握る。
車が、走り出す。
屋敷へ向かって―――……

