「着いた。」

『うん、ありがとぉ♪』

「教室まで行こうか?」

『い、いいよッ!じゃぁ、バイバイ!』


今日の送りは俊。


「待って。」

『何?』

「やっぱいい。気をつけて。」

『うん♪ありがと!』


あと10分で支度をして席につかなければいけないことに気づく。


ヤッバイ!
走れッ!


「穂乃歌?」

『えッ?』

「はよ」

『おはよ!和哉クン!ごめん!急いでるんだッ!またあとでね!』

「ちょっ…!」


立ち話したいのは山々なんだけどッ!
この学校広いから急がないと教室にたどりつかないッ!

また少し歩調を速める。


『セーフ♪』

あと5分。
間に合ったぁぁ♪


『おはよぉ♪』


クラスの皆に挨拶♪
昨日1日でもだいぶなじめた♪


「穂乃歌チャンじゃん♪
 やっぱかわいいよなぁー」

「声から何から最高じゃん!」


そんな男子の会話をさえぎったのは莉緒だった。


「ウザイんだけど?」

「んだよ別にいいじゃんかよ」


反抗してきた男子に莉緒が半ギレした。