屋上から見渡せる風景。
無駄に広い校庭は体育の授業もやっていなく殺風景。
玄関から校門へと伸びる長いレンガの敷かれた道。
池に噴水。
緑も多いしベンチまで。
そこら辺の公園なんかよりずっと広い。
この無駄に長い道には何回も困らされた。
ホント、良い迷惑。
こんな高校どこにある?ってくらいお金掛けている…。
この学校は施設やらなにやら完璧だけど、反面無駄が多い。
屋上から見る景色にそんなことを思う。
フェンスに絡めた冷え切っている手。
その手を私はフェンスからブレザーのポケットへと移した。
その瞬間だった…
ベンチに座っている、あの人を私の目が捕らえたのは。
光に透かされ、風に靡くその茶色を帯びた髪は、より一層綺麗に見える。
座って何をしているのか、後姿からでは確認することはできない。
ただ、誰なのか。
それだけは分かる。
『和哉君………』

