狼執事とお嬢様♡



「え、あの……」



戸惑うばかりの男子。

少しだけ、握られた手が緩んだ。

でも、緩んだだけで離れない。



どこまで強情なんだ…

戸惑いまくりのくせに…



「その手…離したら…?」



海琉の少しだけ後ろに立っている俊が、低い声で言った。


少しだけため息の混ざったその声は、また男子の手を緩めた。



「いい加減、触りすぎじゃない?」



本当に海琉なのかと疑ってしまうくらい低い声。

耳を疑うなって言うほうが無理だと思う。



海琉は男子を見下すようにして見る。



男子の手は、ぎこちなく動く。

同時に、私の手からそっと離れた。



離すの遅いっつーの。




それと同時に、スッと前に出てきた支葵。


「穂乃歌は、お前等が気安く触っていいほど安い女じゃねぇんだよ…」



支葵は男子の左腕を掴むと、体とは逆の方向の右へと捻った。



「いッ…!
す、すんませ…ん…。」


男子は、鈍い声で支葵に謝る。

私は、支葵の行動を見逃すことができなくて。