「もしかして…転入生?」


誰?
執事と同じくらいカッコイイ…
って!見とれてる場合じゃないッ


『は、はいッ!
 教室が何処かわかんなくて…』

「フッ…迷子って訳だ…?」

『う…。ハィ…。』

「何組?案内してやるよ」

『ありがとうございますッ♪1-3ですッ!』


誰はフッと微笑むと
こっち。そう言って私の前を歩き出した。


「あんた、名前は?」

『凛城 穂乃歌です』

「あの凛城?」

『え?』

「金持ちの?」


凛城家は、知っている人も少なくはない、大富豪といわれている家。
この人も、どこからかそんな事を聞いたのかなぁ…?


『えっと…たぶん、ウチですね…』

「ふーん…」


名前…聞いてもいいかな?


『あのッ…!』

「ここ。1-3。」

『あ、…有難うございました。』


名前、聞きそびれちゃったな…



「じゃぁな。」

『あ、ハイ…。』


背中を向けて、彼は歩き出した。


「俺…」


そういうと彼は…
もう1度、私のほうに体を向けた。


「零 和哉(れい かずや)」