でも、
それでも私は…
「パパ知ってる?
赤ちゃんは、親を選んで生まれてくるってこと。」
私の言葉に、夫はハッとして顔を上げた。
「紗英も亮も、私達の子供になりたくて生まれてきたの。
お腹の中にいるかもしれない赤ちゃんだって同じだと思う。
だから…親の事情で、闇に葬り去るなんてこと…私にはできない。
たとえ三つ子だとしても、先に生まれて来た紗英と亮と同じように産んで、愛してあげたいの!!!」
必死に訴える私に、夫はフーッと大きく息を吐くと、
『全くお前はすぐに熱くなる…それに、すぐ泣くし…』
そう言うと、いつの間にか溢れていた涙を指先でそっと拭った。

