快楽の代償




「紗英がお腹に出来たってわかった時、本当に嬉しくて、抱き合って泣いたよね?

生まれた時は、感動というより、無事に産めてホッとしたという気持ちが強かったなぁ…

今回は、あの時とは全く逆だった。

戸惑いと不安…

快楽の代償がこんなに大きいとは夢にも思わなかった。」


夫も同意するように大きく頷くと、


『俺達バカだよな…まだ確定もしていないのに、あんなに熱くなって激論飛ばして、真剣に考えて…オチにもならないオチだったけど…

でも、ひとつわかったよ。

俺、倫子と結婚できて良かった。

こんな俺だけど、これからも一緒にいてくれよな?』