「そこまでだぜぇ?悪徳
密売人さんたちよぉ~」
倉庫の扉に寄りかかった
男がそう言うとどこから
ともなく大勢の人が押し
寄せてきた。
そして戸惑いを隠せない
男達を次々に捕らえた。
「ま……間に合った」
弥嘉は安堵の表情を浮か
べて静かに呟いた。
「おい!!一体どうなって
るんだよ、コレ……」
一方状況が把握しきれて
いない壱加は、ひたすら
彼女に説明を求めた。
「ご安心ください。あの
方々は、学校にいる守護
者とその志望者ですから
私達の味方ですよ」
簡単にそう言った弥嘉は
表情を柔らげていた。
***
その雰囲気に水を差すか
の如く男の悲痛な叫びが
倉庫に響き渡った。
「なっ……何でてめぇら
みたいな奴らがここに!?
普段守護者は守特構から
一歩も出ないんじゃあ」
それを耳にした守護者の
青年は冷酷に微笑んだ。
「俺らは帝政律館の統制
下にいるからそれは関係
ねぇな。あんなお役所と
一緒にすんなっ!!」
青年はそう吐き捨てると
男に鋭い視線を向けた。


