「てめぇ!!さっきっから
ベラベラベラベラと五月
蝿ぇんだよ!!糞ガキが!!
空気ぐらい読めやっ!!」
男はそう怒鳴ると弥嘉の
髪を思い切り引っ張って
体を持ち上げた後、勢い
良く床に叩きつけた。
ダァーーーーーーーーン
すると、弥嘉の体は一瞬
宙を舞った後数メートル
先まで飛ばされた。
思わず駆け寄ろうとした
壱加であったが、弥嘉の
強い瞳に気圧されてただ
唇を噛みしめていた。
それだけでは飽き足らず
男は弥嘉が飛ばされた所
まで歩き足蹴にした。
「調子に乗んなよ!?」
男は彼女の顎に手をかけ
ドスの効いた声で凄む。
それでも尚弥嘉は彼から
目を背けなかった。
「いっちょ前に生意気な
面しやがって!!女は女ら
しく、せいぜい泣きわめ
いときゃ良いんだよ!!」
彼女の態度に無性に腹が
立った男は、今度は腕を
天高く振り上げた。
バァーーーーーーーーン
まさに男が弥嘉を殴ろう
とした時、倉庫の扉から
重厚な音が響いてきた。


