そこには、数人の男性に
無理矢理連れてこられた
様子の弥嘉がいた。

彼女も壱加同様に、縄で
手足をきつく縛られた後
床に転がされた。


「なっ、何でお前がここ
にいんだよ!?学校は!?」


壱加はガムテープの隙間
から小声ながらも懸命に
弥嘉に話しかけた。

すると、弥嘉は無意識に
壱加の言葉に答えた。


「――壱加様は、意外と
律儀さんなのですね」

「てめぇ、ふざけるのも
いい加減にしろよ!?俺は
何でこんなところにいる
かって聞いてんだよ!!」

「何故って……壱加様を
助けるためですが?」

「はっ!!結局捕まってん
なら世話ねぇなっ!!」


壱加はそう言って弥嘉を
嘲笑ったが、彼女は寧ろ
彼に微笑み返していた。




「多分大丈夫です。皆様
がついていますから」




その言葉に壱加は思わず
怪訝な顔を示していた。