†Dragon Guardian†


暫く呆然としていた中年
男性だが、次第に状況を
把握して電話に戻った。


「では、石河君は佐藤と
一緒にただちにA班と合流
してもらえるか?」

「えっ、A班ですか!?私の
ような新人が精鋭部隊に
行くだなんて……」

「気にするなっ!!少なく
とも今は君しか彼の居場
所を特定出来ないから、
是非こちらに来てその力
を貸してほしい」


中年男性が必死に懇願を
するため弥嘉は戸惑いを
隠せなかった。

しかし、佐藤が有無を言
わさぬ視線を向けたため
弥嘉は渋々了承した。




     ***




「あのっ、わざわざ私に
付き合ってくださり本当
に有難うございます」


弥嘉は寒さを直に感じる
廊下を駆けながら男性に
お礼を述べた。


「まあ、乗りかかった船
だからね。最後まで精々
見守らせてもらうよ」


男性はそう言って、イタ
ズラっ子のような両眼と
無邪気な笑顔を向けた。