少年は滑らかな黒髪を顎 まで伸ばし、ただでさえ 華奢な体が黒いタートル ネックのセーターにより 強調されていた。 また年相応の幼い容貌を しているものの肌は白く きめ細やかで艶があり、 鼻筋は見事なまでに通っ ている。 『12歳くらいですかね? それにしても綺麗……』 そう思いつつ、穴が空く ほど少年を眺めていたが ふと彼と目が合った。 『澄んだ……碧い色?』 弥嘉は、彼の持つ大きく 魅惑的な瞳に吸い込まれ そうだと直感していた。 既にどこにもない羽根を 再度彼に見た気がした。