†Dragon Guardian†


「憶測ではあるが、犯人
は言うに及ばずだな」


男がそう呟くと、弥嘉は
両手で顔を隠してすすり
泣きをした。

それをどこか遠くを見る
ような眼差しで男は娘を
眺めていた。


「そのため戦後に“特別
保護法”が施行出来た。
当時はドラゴンは畏怖の
対象だったからな」

「今は違うのですか?」


以前の話と矛盾している
と感じた弥嘉は、思わず
男に訊ねてみた。


「全く無いとは言い切れ
ないがその意識はかなり
低くなっている。今は、
国内が比較的安全だから
利益目的の方が強いかも
しれないな……」


男はそう言いつつ小さな
溜め息を漏らした。