†Dragon Guardian†


それを見た弥嘉は驚いて
目を見開いたが、男は尚
話を続けていた。


「そのせいで父が戦死を
遂げたからあの頃は何の
関係もないドラゴンまで
をも憎んだものだ……」


弥嘉は父親の中に大きな
悲しみを見た気がした。


「話を元に戻すが、我々
人間は未だに破壊を続け
ようとするそれを、当時
の最新兵器でもってよう
やく封印することに成功
したというわけだ」

「あ、あのっ!!その惨事
でドラゴン側は?」

「何故か、誰一人被害を
受けなかったらしい」


男は、複雑そうな表情を
浮かべながら呟いた。


「その後に、両者の間で
停戦条約が締結されたが
それは敗戦した人間には
非常に有利であった」

「えっ、何故ですか?」




「ドラゴンの幹部が秘密
裏に殺されたらしい」




残酷なその言葉がいつま
でも弥嘉の耳に鳴り響い
ていた。