†Dragon Guardian†


ガシャーーーーーーーン




窓の外に勢い良く放り出
された双眼鏡は、周囲に
部品を飛び散らせて最早
鉄の塊に成り果てた。

その音が響くと同時に、
教室中が静まり返った。




暫く唖然としていた少女
だったが、やがて血相を
変えて弥嘉に走り寄る。

弥嘉の元に着くや否や、
血走った目をした少女は
彼女の首に手をかけた。

そして、次第に首を締め
上げる手に力を加える。


「ナメた真似してくれる
じゃないの、ガキが!!」

「……っ!!」


あまりの力強さに弥嘉は
声を出せずにいた。

すると突然、男は少女の
動きを制して静かに口を
開いていた。


「……胡蝶様、一般人に
危害を加えるのは“地位
調整法”に反します」


その言葉に過敏に反応を
示したが、すぐに少女は
男に反論した。




「あのガキ……絶っ対に
知っててやったわ!!」




少女の悲痛な叫びだけが
教室中にこだました。