その後、少女は生徒達を
一瞥して言葉を発する。
「騒がしくしてごめんな
さ~い♪こんなナリして
ても一応特務機関の職員
だから、悪いけどお仕事
させてもらうわね~♪」
『国家……特務機関!?』
弥嘉は全身が凍りついた
ように感じてその場から
一歩も動けなかった。
それと同様に教室全体も
恐怖の渦に包まれたが、
少女は構うことなく双眼
鏡を目にあてた。
「赤、金、青、緑かぁ~
思ったより少ないかも」
自身に襲いかかる脅威に
耐えながら、弥嘉はふと
した少女の呟きを聞く。
それからすぐに、弥嘉は
少女が眺めている方向に
顔を向けた。
『……赤、金、青、緑?
まさか、あの方々の目の
色のことでしょうか!?』
弥嘉の中で疑問が一瞬で
確信に変わっていった。


