†Dragon Guardian†


「それにしても、なんで
国家の直轄校である帝政
律館が守護者を養成して
いるのかしら?」

「どうやら、国家と守護
者による妥当な線引きの
結果だそうです。国家に
とってドラゴンは邪魔者
であると同時にあらゆる
分野の重鎮ですから」


紗奈恵の些細な呟きに、
弥嘉は父親の受け売りを
そのまま話していた。

それに「ふぅん」とだけ
答えた紗奈恵は、考える
素振りを見せた後に再び
弥嘉に言い募った。


「少し思ったんだけど、
わざわざ転校しなくても
ドラゴンは守れるんじゃ
ない?現に私の親戚で、
そこに行かずに守護者を
やってた人もいるし」


それを聞いた途端、目を
見開いた弥嘉は閉口して
しまった。

その様子に構うことなく
紗奈恵は尚も口を開く。


「弥嘉は人見知りが結構
激しいから、出来るだけ
この時期に周りの環境を
変えない方が良いと思う
んだけどね……」


すると、弥嘉はおずおず
と言葉を紡いでいった。




「一応説得してみます」




その言葉で、弥嘉の決意
は固まりつつあった。