†Dragon Guardian†


それからというもの都は
ひたすら嗚咽を漏らすば
かりで、他の事は何一つ
しようとはしなかった。

そのせいもあり、声だけ
でなく涙までも日を追う
毎に枯れ果てていった。

あたかも悲しみに暮れる
都を象徴するかの如く、
今まで車内を明るく照ら
してきた空はいつの間に
やら陰りを見せ始めて、
暫くすると穏やかな雨が
止まることなくガラスを
打ちつけた。




そうしてようやく静けさ
が訪れると、都は何の気
なしに窓の外を眺めつつ
次第に口を開いた。


「なあ、綾瀬さん」

「……何でしょうか?」


突然の呼びかけにやや戸
惑う綾瀬を尻目に、都は
さらに言葉を続けた。


「そう言えばあの人って
かなりのお偉いさんです
よね?どうして、ウチを
庇ってくれたんです?」


すると、綾瀬は左手を顎
にあてながら些か慎重に
答えていった。


「――推測ですが、数年
前に妹さんを冤罪で亡く
されていることが少なか
らず影響していたのでは
ないかと思われます」

「え……えんざい?」

「要は、無実の罪という
ことです。その方はある
凶悪犯と容姿が似ていた
ことから、当時は謂われ
のない疑いをかけられて
いましたが、調査が進む
うちに潔白が証明されて
早々に釈放されました」


正に今置かれている状況
と話の内容が重なり合う
と理解した途端に、都は
ごくりと息を呑んだ。