†Dragon Guardian†


『いやいや、それは流石
に有り得へんやろっ!!』


ふとよぎった考えを払う
かの如く、都は頭を何度
も左右に振った。

その様子をミラー越しに
眺めつつも、綾瀬は徐に
言葉を紡いでいった。


「ですが、あらゆる手段
を尽くしても彼女を捕ら
えることは出来ませんで
した。そこで業を煮やし
たのが隣国の国民です。
彼らは不甲斐ない政府に
憤りを感じ、遂には暴動
まで起こしました」

「か……過激ですねぇ」


益々深刻な空気をはらん
できた彼の話しぶりに耐
え切れず、都は特に意味
もなく茶々を入れた。

ところが、綾瀬はそれに
頷くことなく実に淡々と
述べていった。


「その一連の動きに焦り
を覚えた政府は、こちら
の国家も巻きこんで一層
調査や捕獲体制等を強化
しましたが、結局状況は
変わりませんでした」

「まっ、まさか……」


それを聞くや否や、都は
これでもかというくらい
に大きく両眼を見開いて
思わず息を呑んだ。




「もうお分かり頂けたか
と思いますが、その事態
を少しでも緩和するべく
双方は、途中で偶然見つ
けたあなたを身代わりに
しようと画策しました」




「………………………」


想定内と言えども改めて
彼から厳しい現実を突き
つけられたために、都は
ショックで暫く声を出す
ことが出来なかった。