「――じゃあ、その人は
今どこに居るんです?」
尚も腕を組みつつ、都は
間髪を容れずに頭に浮か
んだ疑問を口にした。
「資料の情報によると、
今はこちらに逃げこんで
いるそうです」
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」
あまりにも衝撃的すぎる
答えをさらりと返された
ため、都は思わず不躾な
までに大声をあげた。
一方、今までのやり取り
で既に都の奇声における
耐性がついたのか、綾瀬
はさして取り乱すことも
なく話を続けた。
「おそらくこちらに守特
構があるからでしょう。
隣国にも保護協会はあり
ますが、それと比べても
立場や制度の効力は格段
に弱い上、わざわざ追わ
れている国に止まる理由
はないと思われます」
「しゅ、しゅとっこう?
ほごきょうかい?」
「要は、どちらともドラ
ゴンを保護する機関だと
考えてください」
「は……はあ」
性懲りもなく曖昧に返答
する都に呆れながらも、
彼は再び言い募った。
「――これを快く思って
いないのが、国家と隣国
政府及びその国民です」
「えっ!?何でですか?」
「こちら側は、厄介者を
自国に留めておきたくな
いため、一方隣国はドラ
ゴン保護運動の広がりを
潰す目的で彼女を送還し
ようとしています」
「なるほど。利害の一致
っちゅうわけですね?」
そう呟きつつ彼の意見を
噛み締めると、間もなく
都の中である仮定が導き
出された。


