†Dragon Guardian†


不本意ながらも都は暫し
車の揺れに体を預けてい
ると、突如とある場所で
ブレーキがかかった。


「着いたぞ……キリキリ
歩かんか、この馬鹿女」


男の1人がそう言って荒々
しくドアを開けると無理
矢理都の腕を掴んで、車
から引きずり下ろした。

言われるままついていく
もののその強引さに腹が
立った都は、背中越しに
その男を睨み続けた。




数分もしないうちに目的
地に到着すると、その男
は徐に扉を叩いた。

すると、中から黒のスー
ツに身を包んだ50歳前後
の女性が姿を現した。


「どうもご苦労様。後は
私が引き継ぎますから」

「はっ、失礼します」


そう言い残すと、男は恭
しく礼をしてすぐにこの
場を立ち去った。

それを見計らって女性は
都を一瞥した後、穏やか
な口調で話しかけた。


「あなたが、例のエリス
・マーリンさん?」

「へっ!?ウチ、そんな人
とちゃいますけど」

「でしょうね……確かに
容貌はそっくりだけど、
写真より若干幼いわね。
あと目の色も違うわ」

「――??????」

「まぁ、これだけ似てい
たら早とちりしてしまう
気持ちも分からなくはな
いけど……とにかくこち
らにいらっしゃいな」


女性はそう言って手招き
したが、先程受けた男達
の暴挙が尾を引いて都は
なかなか足を前に動かせ
ずにいた。

その様子を見て都の心理
状況を察した女性は申し
訳なさそうに口を開く。


「先程は、部下が手荒な
真似をして本当にごめん
なさいね。謝って許され
ることではないけれど、
あなたが家に帰れるよう
早急に手配するから一旦
中に入ってもらえる?」


女性から発せられる言葉
の節々に誠意を感じて、
ようやく都は部屋の中へ
と歩を進めた。