†Dragon Guardian†


「国家とってドラゴンが
畏怖の対象であることは
もはや言うまでもない」


男のその言葉に、弥嘉は
黙って頷いていた。


「それとは別に、国家は
彼らを迫害したい理由が
あるのだが分かるか?」

「………分かりません」


すると男は、益々苦しそ
うな表情を浮かべながら
口を動かした。


「金だよ。彼らの髪や目
ひいては皮や肉等は世界
中で嗜好品として非常に
重宝されている。また、
希少価値と元来の能力の
高さから彼ら自体も売買
対象にされる。その取引
には莫大な資金が動く。
それこそ一国家を大きく
揺るがすほどの……な」


それを耳にした弥嘉は、
驚きのあまり思わず目を
見開き、右手で口を覆い
隠したまま黙り込んだ。




『そんなことが許されて
良いのでしょうか?』




弥嘉は徐々に涙を浮かべ
ながらやり場のない憤り
を感じ始めていた。