†Dragon Guardian†


そこには次のようなこと
が書かれていた。


【王が書物を 焚ける時
 眠れる盾が 指し示す
 一筋の蒼き 光の方へ
 迷える汝 いざ進め】


『――全く意味が分から
ないのですけれども』


一見無意味な言葉の羅列
に弥嘉は頭を悩ませる。


『ですが……同封されて
いたということはこれが
指すものを探さなければ
ならないのですよね』


弥嘉はそう考えると余計
憂鬱な気分になったのか
大きな溜め息を吐いた。


『取りあえずは、今すぐ
出来ることから始めてみ
ましょうかね』


そう思い立つと、彼女は
徐に携帯を取り出した。




6コール目に差し掛ろうと
した時、ようやく相手と
電話が繋がった。


「――ご無沙汰しており
ます、弥嘉です」

「ああ、弥嘉か……お前
からかけてくるとは珍し
いな。どうかしたか?」


電話越しに聞こえてくる
少し掠れた声に、弥嘉は
思わず体を硬直させた。

しかし本来の目的を思い
出すと、すぐに己を奮い
立たせて話し始めた。




「今日はいくつかお願い
があって、お電話させて
頂きました……お父様」




その瞬間、弥嘉は向こう
側に走ったある種の緊張
感を敏感に感じ取った。