†Dragon Guardian†


ようやく受付までたどり
着くとそこには20代前半
の女性が一人、パソコン
業務に勤しんでいた。


「――すみませんが少し
宜しいでしょうか?」

「はい、どうぞ」

「あのぉ……ここにある
資料を見たいのですが」


手帳の館内地図を指差し
ながら口ごもる弥嘉に、
女性はあくまで事務的な
態度で接した。


「学生証を拝見します」


その言葉に若干拍子抜け
したものの弥嘉はすぐに
我に返りそれを渡した。


「高等部所属の石河弥嘉
さんですね。こちら側で
少々お待ちください」


そう言うと女性は素早く
パソコンに弥嘉のデータ
を打ち込んでいった。


「申し訳ありませんが、
鍵の登録がされておりま
せんのでそちらの資料の
閲覧はご遠慮願います」


女性は淡々とそう述べる
なり再度パソコンに目線
を戻そうとしていた。

それを見た弥嘉は待って
と言わんばかりに慌てて
口を開いた。


「あ、あのっ!!新規で鍵
の登録をお願いしたいの
ですけれども……」

「では今からお渡しする
注意事項に従い必要書類
一式を揃えた上もう一度
こちらのカウンターまで
お越しください」


女性はそう言うなり茶色
の封筒を徐に手渡した。

弥嘉はそれを受け取ると
足早に図書館の出口へと
歩を進めていった。