†Dragon Guardian†


『確か、この辺りだった
と思うのですが?』


弥嘉は目的地に到着する
なり、手帳を確認しつつ
辺りを何度も見回した。

しかしそこには数え切れ
ないほどの本棚がそびえ
立っているだけだった。


『――本棚ばかりでこれ
といって部屋らしき所は
ないようですね』


試しに本棚をずらそうと
するものの1ミリたりとも
動く気配がなかった。

また、鍵穴がないか確認
するがそれらしきものは
どこにも見当たらない。

弥嘉は、落胆から思わず
溜め息を漏らした。


『やはり、小説のように
うまくはいきませんか。
ですが……手帳にも書か
れていないということは
余程の資料が保管されて
いるに違いありません』


弥嘉はそう考えるや否や
あることを思いついた。


『駄目もとで、司書さん
に伺ってみましょうか』


そう考えると今度は受付
まで足をのばした。