†Dragon Guardian†


「――っと、まぁこんな
感じだったわけだ」


一通り話し終えた壱加は
疲れきったのかすぐさま
ベッドに横たわった。


「な……なるほど、私が
来る前に父とそのような
話をされたのですね」


彼の話を聞き少しは納得
したものの、やはり煮え
切らないところを感じた
弥嘉は徐に口を開いた。


「ですが、やはりその話
を伺っても当時の父は私
が“眼”の保持者である
ことを知らなかったので
はないでしょうか?もし
そうでなければ、あそこ
まで驚きませんよ」

「俺も、始めの頃はそう
思ってた。だけど、ここ
まで綿密だと逆にな」


力無くそう呟いた壱加を
見た弥嘉は、意を決して
自身の仮説を述べた。


「むしろ、私が“眼”を
持つことを知って、計画
を進めたのでしょう」

「はあああっ!?それどう
いうことだよっ!?」

「――つまり壱加の言う
通り、父が何らかの目的
で私に機密を調べさせる
よう仕向けたのは間違い
ないと思われます」


その言葉に反応した彼は
思わず身を乗り出して、
危うくベッドから転がり
落ちそうになった。


「先程のお返しに今度は
私の話をしますね」


弥嘉は彼の体を支えつつ
穏やかな口調でつい先日
の出来事を語り始めた。