†Dragon Guardian†


尚も唖然としている壱加
を差し置き、徹は先日の
予知夢を思い起こした。


「かなりはっきり見えた
から、そう遠くない頃に
会えるのかもしれんな。
まあ、dragon eyes保持者
ということだから探すの
に骨が折れそうだが」

「――所詮夢だろ?」

「顧問を甘く見るなよ?
予知夢も職業スキル内に
組み込まれている」


そう言って意地悪そうに
笑う徹を見て、遂に壱加
の中で何かが切れた。


「――っ!!だったらいつ
ソイツに会えんのかみて
くれよ!!誘拐されてから
じゃ遅ぇんだよ!!」

「ギャアギャア喚くな。
その筋の者に頼んで調べ
させるから、もう暫くの
間待っていなさい」

「予知夢はどうした!?」

「私は占いを生業として
いるわけではない。そう
頻繁にみられるものか」

「どんだけ使えねぇ職業
スキルだよっ!!あんだけ
大口叩いたんならもっと
必死こいて使えよな!?」


幾分か開き直った物言い
が引き金となり、壱加の
怒りは益々加速の一途を
辿っていった。




すると突然、障子の向こ
う側から鈴の鳴るような
声が彼らの耳に届いた。


「…………失礼します」


彼女はそう言うと静かに
障子を開け始めた。




――そして壱加は、運命
的な出会いを果たす――