「……と言いたいところ
だがその必死さに免じて
特別に取り計らおう」
「恩に着るぜ、徹!!」
呆れ混じりに呟く徹とは
対照的に、壱加は非常に
嬉しそうな顔を見せた。
***
それから約一週間が経過
したある日、壱加は再び
石河宅の敷居を跨いだ。
「ど……どうだ?何とか
なりそうなのか!?」
大きな期待を抱きながら
迫る壱加に、徹は思わず
目を伏せて俯いた。
「あらゆるツテを回って
みたもののやはり厳しい
ものだな。優秀な守護者
は殆ど上流階級に取られ
てしまっている」
「そっ……か」
それを聞いて一変で落ち
込んだ壱加を見て、徹は
暫し考え込んだ後に突然
彼に視線を向けた。
「ところで壱加、本来の
目の色は何色だ?」
「はあっ!?今はそれ関係
ねぇだろうがっ!!」
「いいから答える」
「――碧色だけど!?」
徹の発言に対して壱加は
怪訝な顔を隠しもせず、
実に素っ気なく答えた。


