†Dragon Guardian†


壱加の様子に苦笑したも
のの、すぐさま徹は凛と
した声で話を促した。


「まずは、守護者申請に
ついて話してもらおう。
そちらの方がより緊急を
要するだろうからな」

「わ……分かった」


壱加は普段では考えられ
ないくらいのしおらしい
返答をしてのけた。

それに対して好奇の目を
向ける徹だったが、ふと
何かに思い当たった。


「――そういえば壱加は
“追跡防止”の力を保持
していなかったか?何故
わざわざここまで?」


最もすぎる問いかけに、
壱加は些か顔を紅潮させ
ながら口を開いた。


「前の居候先の庭でガキ
共と花火しようとしたら
偶然ライターやマッチを
切らしててよ。代わりに
チャッカマンを使おうと
したけどいくら探しても
見つかんなかったから、
奴らがいねぇ隙を見計ら
ってつい……な」

「大方そのことが彼らに
知られ警察沙汰になった
挙げ句に、その後は国家
に狙われるようになった
というところか?」


呆れ顔で核心を突かれた
壱加は、唯ひたすら目を
泳がせていた。


「そんなふざけた事情に
私を巻き込むな……」


徹は頬杖をつきながら、
盛大な溜め息を吐いた。