†Dragon Guardian†


「……実は、壱加が引き
起こしたものなのです」

「はぁぁぁぁぁぁぁ!?」


予想外の弥嘉の発言に、
壱加はとっさに反発した
ものの無言の圧力に気圧
され遂に口を噤んだ。


「えっ……そうなの!?」


紗奈恵はそれに大層吃驚
した様子だったが、尚も
言葉を続けて考察した。


「何かやむを得ない事情
があったのかしら?あの
時トイレに近づくと危険
に巻き込まれた、とか」


暫く考え込む紗奈恵の姿
を見て、壱加は呪縛から
解き放たれたように徐に
口を開いていった。


「会って間もねぇ奴を、
何でそこまで信用できん
だよっ!?お人好しにも程
があんだろ!!」

「弥嘉が全面的に信頼を
寄せているのは勿論大き
いけど、伊達にこの2ヶ月
間一緒にいたわけじゃな
いわよ!!あんたが好き好
んでそんな事をする酔狂
な奴じゃないことくらい
私にだって分かるわ!!」


そう言って物凄い勢いで
まくし立てる紗奈恵を、
壱加は呆然と眺めること
しか出来なかった。