「先程話した通り、国に
よるドラゴンへの迫害が
正当化されたのは言うに
及ばす……だな」
男は、無言で唇を噛みし
める壱加に目をやりつつ
再び話を続けた。
「それにもかかわらず、
彼らが未だ存在している
のは何故だと思う?」
「えっと、“守護者”が
長年に渡り彼らを守って
きたからでしょうか?」
それを聞いた男は、手で
小さな三角を作った。
「結論的には正しいけれ
どもまだ足りないな」
この一言によって弥嘉は
暫し考え込んだが、その
様子に構うことなく男は
尚も口を動かした。
「何を目的として守護者
がドラゴンを保護するか
知る必要がある」
男は弥嘉を正面に見据え
凛とした声をあげた。


