†Dragon Guardian†


「疑ってしまい、すみま
せんでした。私は壱加を
信じますから」


弥嘉はそう言って壱加に
向き合うと、今まで彼を
取り囲んでいた炎が突如
として消え失せた。

先程までは静観していた
紗奈恵もその光景を目の
当たりにすると、次第に
顔を歪めていった。


「正直疑いたくはないけ
れど、張本人じゃなきゃ
この絶妙なタイミングで
火を消せなくない?」

「壱加は、絶っ対にその
ような事はしません!!」

「何か証拠でもあるの!?
限りなく黒じゃない!!」

「たとえそうだとしても
壱加がやってないと言う
以上、私は最後まで彼を
信じます!!仮にも守護者
なのですから!!」


そう言って弥嘉は涙なが
らに訴えたが、紗奈恵は
益々眉間にシワを寄せる
だけだった。


「弥嘉、もういい」


壱加は若干諦めたような
口振りでぽつりと呟く。


「――!!!!!!ですが!!」


弥嘉は非常に珍しくも、
壱加に食い下がった。

すると壱加は次第に口を
開いていった。




「弥嘉が信じてくれてる
なら、それで良いから」




彼はそう言うや否や少し
寂しげな笑みを弥嘉だけ
に向けてきた。