その様子を見た耀は機嫌
良く弥嘉達を案内した。
「あっちに飲み物がある
から一緒に行こ~☆」
「は、はい」
「………ええ」
耀の勢いに気圧され手を
引かれるまま、弥嘉達は
目的地まで足を運んだ。
***
「これ、とても美味しい
ですね。一体何です?」
「確かブラッドオレンジ
だったと思うっ☆後味が
爽やかで良いよね!!」
弥嘉がグラスの赤い液体
に感激していると、耀は
すかさず答えていた。
「俺……トイレに行って
くるわ。場所どこ?」
この時点で既にグラスを
何個か空けていた耀に、
壱加は周りに気を遣って
小声で場所を訊ねた。
「あっ、トイレね!!そこ
の角を右に曲がったとこ
にあるよ~☆」
それに気が付かないのか
耀は実に大きな声で答え
該当する角を指差した。
「……どうもな」
彼女の言動に若干苦笑を
漏らしつつ、壱加は教え
られた通り歩を進めた。


