それから暫くして一台の
車が倉庫の前に到着した
ため、彼女達はすぐさま
それに乗り込んだ。
「いやぁ~随分待たせて
悪かったっ!!犯人確保に
結局は普通車3台も使っち
まったからなぁ」
運転席の“三沢”は少し
眉を下げて申し訳なさそ
うな口調で言った。
「いえ、来て頂いただけ
でも充分有難いです」
弥嘉は彼の親切に素直に
感謝していたため、後部
座席からだがすぐにそう
答えていた。
***
「あのぉ……先程の話で
守特構?がどうとか出て
きましたけど」
弥嘉は、今までの疑問を
思い切って訊ねてみた。
すると先程の青年が快く
説明を始めた。
「ああ、さっきの話ね。
そもそも守特構っていう
のは、俺達守護者を統括
してる機関なんだ」
「もしやそこは元々国家
機関で、後に分離した所
でしょうか?」
「へ~良く知ってるなぁ
お嬢ちゃん!!この両者は
“ドラゴンらの扱い方”
について意見が対立しち
まったから、結局は各々
違う道を歩むことにした
らしいけどな」
「なるほど……ですが、
双方の最終目標は国家の
繁栄ですよね?」
弥嘉は過去の記憶を辿り
ながら暫し考え込んだ。
それを横目で眺めていた
青年はどこか寂しそうに
小さく呟いていた。
「結局はあそこも、あく
まで国家機関に過ぎない
ってことなんだよな」
その呟きが車内に何とも
言い難い寂寥感をもたら
していた。


