†Dragon Guardian†


「良くできました」

「――――!!!!!?????」


壱加の謝罪を聞くなり、
弥嘉は大層満足気に顔を
綻ばせていた。

彼はそれを目にした途端
顔を真っ赤に染めた。




その後弥嘉は一同に向き
直り突然土下座をした。

突然の彼女の奇行ぶりに
一同は慌てふためいた。


「えっ!?どうしたの!?」

「私の未熟さが、今回の
ような事態を引き起こし
たのは言うまでもありま
せん……この場をお借り
して深くお詫びします」

「なんでなんでっ!?君は
今日1番の功労者だろ?」

「たとえそうだったとし
ても、彼を不安にさせて
しまったことには変わり
ありません」


見る間に落ち込んでいく
弥嘉に一同はうろたえる
ばかりであった。




すると、鋭いボーイソプ
ラノの声が倉庫内の暗い
雰囲気を一変させた。


「――いつまでも、ウジ
ウジと鬱陶しい奴だな!!
誘拐されたのは俺のミス
なんだから、お前は何も
悪くねぇよ!!」

「で、ですが……」

「――っ!!あ~イライラ
すんな!!結局俺は何とも
なかったんだし良いじゃ
ねぇか!!それとも何か?
てめぇはそれじゃあ満足
出来ねぇってか!?」

「そ、そんな訳ないじゃ
ありませんかぁ」


再び泣き出しそうになる
弥嘉に、壱加は大袈裟に
溜め息をついて見せた。


「前から思ってたけど、
アンタは自分を卑下しす
ぎだ!!少しは自分自身を
認めてやれよ!!」


そう言ってのけた彼を、
弥嘉は穴が空くほど見つ
めていた。




「期待してんぞ、弥嘉」




壱加なりの優しい言葉が
徐々に弥嘉の心の内側に
染み渡ってきた。


「有難うございます」


弥嘉は一言そう言うと、
涙で滲んだ顔に微笑みを
浮かべていた。