男達が倉庫から連れ出さ
れた後に、ようやく2人は
縄から解放された。
すると、弥嘉の両目から
大粒の涙が零れ落ちた。
それを見た壱加は、目を
見開いて暫し硬直した。
その隙を突くかのように
弥嘉は、いきなり壱加に
しがみついてきた。
「――――!!!!!?????」
「いっ……い、いちかっ
壱加……っ様……がぁ…
ご無事っ……で、何より
で……す……誘拐……っ
され……た時……っは、
どうなる……こと……」
「おっ……おい!?」
嗚咽を漏らし続けている
彼女に、壱加はひたすら
目を白黒させていた。
「うわーーーーーーん」
壱加の激しい動揺に構う
ことをせず、感極まった
弥嘉は遂に子供のように
泣きわめいた。
「いやぁ~正直言うと、
あそこまで上手くいくと
思いませんでしたよ」
「あの歳にしてあの度胸
の座りかたは大したもん
だな。彼女の尽力がなけ
れば彼らを捕まえられな
かっただろう」
「ですが……ああ見ると
普通の女の子なんですよ
ねぇ~?あの小さな体の
どこにあんな根性を隠し
持ってるのやら」
「なっかなか食えない娘
だよねぇ!!あの調子だと
坊ちゃんが手玉に取られ
んのも時間の問題だな」
「確かに、それは言えて
るかもしれねぇな~!!」
弥嘉と壱加のやり取りを
見ながら、守護者一同は
彼女達に思いを馳せた。


