男はそれに怯むことなく
青年に訊ねていた。
「どういうことだっ!?」
「――世間ではあそこの
奴らも守護者ってことに
なっているが、事務だけ
やってドラゴンを守って
いる気になってんだから
とんだお門違いだ」
青年は大層面倒臭そうな
顔をして男に答えた。
それを聞くや否や、男は
必死な形相をして青年の
話に食らいついた。
「じゃあソイツら自体は
取り締まりをしてねぇと
いうことなのか!?」
「これ以上、話してやる
義理はねぇんだよっ!!」
そう言って、青年は男を
徹底的に突っぱねた。
しかしながら、尚も男は
青年に食い下がった。
「じゃあ、なんで俺らを
捕まえられるっ!?守護者
には確か逮捕権限はねぇ
はずだが?」
すると青年は、男に再度
冷酷な笑みを浮かべつつ
言葉を紡いだ。
「知らね~の?現行犯の
場合のみだが守護者には
逮捕権限が認められる。
守護者基本法にバッチリ
記載されてるけど?」
その言葉を耳にした瞬間
男は力無くうなだれた。


