花葬の時間



確かに、こんな綺麗な場所に埋葬されるなんて『ニナ』も本望だろう。



人形にこんな愛情を注げるなんてある意味イチ君を尊敬できるかもしれない。



「ばいばい。21番目のニナ」



その言葉を聞くまでは、そう思った、のに。



「はぁっ!?…に、21番目!?」



にじゅういち。



その数字は一体なに。



「そう。ここにはすでに20番目までのニナがいる」


イチ君はズタボロのニナを抱きしめながら呟いた。



「この子はもう少し長持ちすると思ったのに…」



長持ちって…、長持ちって…!
コイツ全然ダメだ!頭がおかしい。狂ってるとしか思えない。



「な、なんで人形もっと大事にしないの?」



間がもたなくて、なんとか捻り出したわたしの言葉に、イチ君がピクリと反応した。



「人形じゃないよ『ニナ』」



何の感情もない瞳が、わたしを捉えて離さない。



「別にね、人形じゃなくたっていいんだよ」



あの不気味な笑いよりもこわい。なんで、そんな瞳でわたしのこと見るの。



「だってここに眠る『ニナ』は全て君の代わりだもの」



見ないでよ。


おかしくなる。