そうだ。 苅谷は誰に対してでもこんな表情をつくる。 本当に無垢で純粋な女の子。 ただ、それだけ。 俺は苅谷にとって特別な人間じゃないんだ。 隣で勉強会が開かれはじめた。 苅谷と水町のやりとりをただただ聞くことしかできない俺。 一気に居場所を失った気がして、俺の心の中の黒い渦は残されたまま、渦の中のそれが大きくなった。 お隣の勉強会は随分と楽しそうに繰り広げられ、交ざる事のできない透明な壁が、ただひたすらに俺に邪魔をした。