「俺さ、惚れちゃったみたいなんだよね。あの子に。」



鏡越しにニカッと笑った水町の姿が見えた。


その言葉を聞いた瞬間、尿意がパタリと失せる。
そして、心が真っ白になった。

なんでだ?なんでこんな・・・




「でさー。上場は苅谷と席近いからメアドくらい知ってると思って・・・・・・知ってんなら教えてくれよ!」



水町は俺の顔を見もせずに続ける。


なんだよ・・・?この焦燥感は。
初めての感覚に妙な恐怖を覚えた。