「上場君、授業ちゃんと聞いてる?(笑)」 そんな彼女の事を頭で考えていると、当の本人から話しかけてきた。 この学校の狭い教室ならではの隣の席との距離の近さ。 机は少し亀裂を残しつつもほぼくっついた状態。 すぐ隣にいる彼女の綺麗な長いストーレートな黒髪がもう少しで俺の肩に触れそうだ。 「うん!しかも先生の残りの髪の毛数えてた(笑)」 苅谷はクスッと小さく笑うと、真面目に聞きなよーー とだけ俺に言い返した。