寒いね。寒いねー なんて会話が通学路を歩き、俺は改めて寒さに気づかされる。 時期は1月、始業式。 ぽつりぽつりと地味に頬がかゆみ、赤くなっていく。これはこれは迷惑だ。 たった一年、通い詰めたこの通学路。 今までちゃんと景色を見てきたこともない。 視界を流れるのはコンクリートばかりで何の彩りもなく、俺をつまらなくさせる。 工事しろ、工事。 でも、実際この通学路を変更しようとは思わない。 学校が、充実しすぎているからだろう。