学校中を歩き回る俺に、話しかけてくれる人もいなければ、目さえ合うこともない。 ただ誰かとすれ違う度に空気みたいな俺に陰口が届く。 ・・・人気のないとこにいこう。 くるりと方向転換をきめると、体育館の裏を目指しはじめた。 体育館裏ならば誰もいないだろう。 あそこは夏は草がぼーぼーで冬は風が直撃するので生徒からは嫌われる最悪スポット。 嫌われている俺にはぴったりなのかもしれない。