ここから逃げ出したくて、離れたくて仕方がない。


取り残された俺の足場は、見事に崩されてゆく。

周りの空気がもくもくと曇り、まるで小さい水滴が集まるかのよう。


もう俺の声は誰にも届かないんだ。



俺は握っていたマイクを力無く置くと、俯いたまま階段に足をかけた。




虚実を信じ込んでしまった彼らは、もう俺には何もいわない。
ここから他人が始まるのだ。



冷たい風を浴びると、俺の小さくなってしまった体は過敏に反応する。




熱が悪化したようだ、、、