「はぁ!?聞こえねーんだけど!」 山中の声がマイクを使ってないのにも関わらず、俺の声なんかよりも数倍も響き渡る。 なんて、強いのだろう。 思い浮かぶ言葉もなければ、紡ぐ言葉も見つからない。 追い込まれた俺は、視線ばかりが泳いでいて、一人一人の表情を、必死に確認していた。 誰か、誰か助けてくれる人はいないのか。 古谷はひたすらに微笑み、山中は物凄く楽しそう。 そして、どこを見渡しても、優しい苅谷はいなかった。