冷たい空気の漂う廊下を抜けると、体育館へと道は続く。 近くにあった深そうな水溜まりをしばらく見つめていると、急に体育館に入るのが億劫になった。 体育館のガラス製の玄関扉の向こうには、たくさんのスカートが揺れ、わずかなズボンが隅に見えた。 なるほど。こんな風に『情勢』を眺めたことはなかった。 なんて威圧感のある景色だろうか。 と思っているうちに、一際強い風が俺を襲い、底冷えした。