護れたなんて誇れるわけじゃないけれど、遠まわしの告白はどうやら失敗に終わったようだった。 苅谷は無理やりの笑顔で泥で汚れたスカートを見つめると、はぁ・・・ とわざとらしく大きな溜め息をつく。 たくさん俺に泣きついてくれたほうが安心できたのに・・・ 痛々しい平気なそぶりを見せつけられると、抱きしめることもできなくなってしまった。 俺はとりあえず無表情で はい と手を差し出した。 雨で冷えた手が、小さく震えている。