真っ赤になってしまった苅谷の顔からは、俺は今どんな気持ちになっているのかは自分でも分からなくて、とにかく心がくしゃくしゃだった。 「ちょっと・・・・・・近いよ」 苅谷が両手で顔の前に盾を作ると、水町は少しだけ顔を遠ざけた。 つきのびた手は、苅谷のストレートな横髪を触り、苅谷はひゃっと声をあげる。 「俺の事、どう思ってんの?」 「わかんない・・・・・・わかんないよ」 「・・・・・・・・・・・・」 苅谷が首を横に振ると、水町は静かに冷たい溜め息を吐いた